奈良県で「安全・安心」をコンセプトに、警備業を中心とした様々な事業を展開をする畑山庫一氏にお話をうかがいました。「奈良の創生人」では、奈良県内で様々な事業や活動を展開している人物を取材し、彼らの情熱と未来へのビジョンを深掘りしていきます。
奈良ビジョンは「奈良はもっと成長できる」をスローガンに、奈良県の事業者や地域を愛する方々が地域密着繁盛を目指すための情報発信やイベント・勉強会を開催しているプロジェクトです。
畑山 庫一 (はたやま こういち)氏
有限会社ケーウインズ 代表取締役
これまでの歩み
本日はよろしくお願いします!警備会社として奈良県で活動されているとのことですが、これまでの歩みや事業について教えてください。
私は20代の頃、奈良県で最初の警備会社を創業しました。初期の頃は多くの挑戦と成長を経験し、地域社会に貢献することに重点を置いて事業を展開していきました。しかし、経済情勢の変化に対応する中で、いくつかの誤った経営判断をしてしまい、残念ながら一度は会社を閉業することになりました。
その後、飲食業界での経験を積むことで、ビジネスの多様な側面を学びました。この期間は私にとって大きな学びの場となり、経営者としての視野を広げることができました。そして、とても苦しい時を支えてくれた家族の支援を得て、再び警備業界に戻る決意をしました。
過去の失敗から学んだ教訓を活かし、有限会社ケーウィンズとして警備業を再度立ち上げた時、従業員は私と息子だけ。車は一台からのスタートです。本当にこの時は色々と苦しい時期でしたね。それでももう一度、なんとか自分が得意なことで家族やお世話になった方々にご恩返しができないかと思いながら営業も必死で行いながら働きつづけていました。
ありがたいことにご依頼も少しずつ増え、ともに働いてくれるスタッフも一人、また一人と増えていきました。今日では、従業員160名を超える規模の警備会社となり、奈良県を中心に大阪府、京都府で信頼される警備サービスを第一に提供しています。
事業活動で大切にしていること
セカンドチャレンジで再び警備会社を大きくされたのは素晴らしいですね。事業活動やサービスを行う上で大切にされていることはどんなことでしょうか?
私たちケーウィンズの強みは、「安全・安心」と「おもてなし」の精神にあります。警備業務は、ただ単に安全を守るだけではないんです。私たちは、お客様と一体となったサービスを目指しています。安全を守り、安心を提供するだけでなく、心のこもったお出迎えとお見送りなどの「おもてなし」を大切にしていますね。
例えば、歩行者やドライバーの方々に明るく挨拶をすること。それが地域の方々からの「ご苦労様!ありがとう!」という感謝の言葉につながり、私たちの仕事の価値を実感する瞬間です。警備というものは物理的な安全はもちろん、警備員が社会の一員として地域の皆さんの心の安全と安心も守る仕事なんです。
事業活動の強みや特徴は?
警備業界でも大手も含め競争はあるかと思います。その中で御社の強みや特徴といえるものは何でしょうか?
私たちは長年の経験と高度なノウハウを活かし、事業を拡大してきました。特に警備員の教育研修と資格取得に力を入れており、積極的に社員登用を進めています。業務エリアも広く、奈良県を中心に大阪府下全域から京都・滋賀までカバーしています。ネットワークの確立と情報共有により、迅速な運営を行っているのが私たちの特徴ですね。
また、無駄な出費はできる限り抑えながら、道路警備を行う為の規制車などの設備にも積極的に投資しています。高度なサービスを提供できる体制を充実させ続けることで、新たな依頼の獲得にも繋がっています。まずは人、そして人が活躍できる環境をどう整えていくか。これがとても重要だと思いますね。
感じている課題と課題への取り組み
畑山社長が感じる自社の課題や警備業界の課題はどういったものがあるでしょうか?また課題への取り組みも教えてください。
警備業界は、多くの課題に直面しています。特に、労働力不足は大きな問題です。高齢化社会の進行と若年層の警備業界への関心の低さが、人手不足を招いています。また、技術の進化、規制や制度変更に伴う新しいニーズへの対応も求められています。
まず、人手不足に対応するために、私たちは積極的な人材育成と採用に力を入れています。
最近ではYoutubeでの情報発信にも注力していますね。私自身の考えや会社の雰囲気、スタッフの人柄をどんどん発信することで、採用も良い方向へ転換している手応えを感じています。
若い世代の方には、警備業の魅力を伝え、キャリアパスを提供することで、業界への関心を高める取り組みを行っています。女性やシニア層の積極的な採用も進めており、多様な人材が活躍できる環境を整えることに注力しています。
また、近年は情報通信を始め、様々な技術が進化しています。私たちは最新のセキュリティ技術や情報管理システムの導入を始めています。これにより、効率的かつ高品質な警備サービスを提供できるような体制が整いつつあります。デジタル化によるリアルタイムの情報共有や迅速な対応も可能になっています。
これらの課題への対応はかなり大変な労力がかかるものですが、私たちがより信頼される警備会社になるための重要なステップだと考えています。世に警備会社は多くありますが、人材の多様化と技術の進化を活かすことに注力することは差別化にも繋がります。課題への取り組みを苦難ではなく、より幅広いニーズに応えることができるようになる福門であると考えることが重要でないでしょうか。これからも、社会の安全と安心を守るために、常に進化し続けることが私たちの使命です。
事業展開について
警備業務以外にも様々な分野で事業展開を行っていると伺いましたが、どのような活動をされているのでしょうか?
警備業には年間を通じて忙しい時期と落ち着いている時期があります。働いている方々の雇用や活躍の場を護る為には年間を通して仕事が一定量ある状態にしなければなりません。
そこで草刈りサービスや工事業務なども始めました。道路や空き地の草刈りは地域の安全・安心にも繋がりますから。また台風の時に門が倒れてしまったお寺の撤去工事なども担当させていただきました。
安全・安心というコンセプトは本当に幅広いサービスを世に提供できると思っています。私自身、飲食業で働いた経験もあることから、「食の安心・安全」について考えることも多かったので、農業を行う「アグリ事業部」を立ち上げ、ネギなどを中心とした野菜の栽培も始めています。我々は体と頭を使う仕事は得意ですし、私自身もアウトドアが大好きな人間ですから、農業というフィールドワークでも楽しみながらチャレンジさせてもらっています。また栽培した野菜を提供する飲食店もオープンし、自分たちが創った野菜を美味しそうに食べてくれている人の顔を見るのは嬉しいですね。
これからのビジョン
安全・安心をテーマに様々な事業にチャレンジされているというのは素晴らしいですね。最後に今後のビジョンを教えてください。
私が最も大切にしていることは、企業理念に基づく経営です。それを日々の業務に反映させることが、私たちの社内外の信頼を築く秘訣です。また、働いてくれている社員一人ひとりの成長と幸福も心から願っています。支えてくれる家族、ともに働く社員、そして私たちのサービスを信頼してくれるお客様には、日々感謝しています。
企業は社員の成長とサービスの質を高め、さらにお客様にご満足いただける会社となり、そして地域の発展に貢献できるようになることが重要だと思います。社員・お客様・地域というものは全て繋がっていますから。
2025年には、大阪関西万博もあり、警備会社としては大きなチャンスが訪れます。
今後もさらに新しい事業領域にも挑戦し、「安全・安心」を通じて奈良県を活性化できる企業を目指していきます。
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